July 26, 2008

欧州で大人気のオバマだが、「世界の市民」をアメリカ人はどう思う?

中東訪問を終えた民主党大統領候補のバラク・オバマはヨーロッパの各地を周り、大勢の群衆を集めて演説を行い高い人気を呼んでいる。アメリカの大統領に立候補している人間が、何故ヨーロッパで選挙運動をやるのか不思議に思われる方も多いだろう。しかし今日のCNNのニュースを呼んでいて、なるほどと納得が行った。(CNNはすぐリンクが消えるので全文転載)

オバマ氏がマケイン氏に圧勝、英独仏での政治献金額で

米連邦選挙委員会は25日、今年の米大統領選に関連しドイツ、フランス、英国に住む米国人の政治献金で、民主党候補者指名を決めたオバマ上院議員がこれまで少なくとも100万ドル(約1億800万円)を集め、共和党のライバル、マケイン上院議員の少なくとも15万ドルに大きな差を付けていると報告した。

AP通信が報じた。オバマ議員は先の中東・欧州諸国歴訪で、これら3カ国を訪ね、ベルリンでの演説では聴衆約20万人を集める人気を誇示した。英国に限っては、マケイン氏に寄金したのは63人だが、オバマ氏は約600人だったという。

AP通信は、両議員への献金者を取材し、マケイン氏が劣勢なのは過去8年のブッシュ政権の政策への嫌気が大きいと指摘。欧州で損なわれた米国の印象の回復をオバマ氏に賭けている献金者が多いともしている。

また、オバマ氏陣営がインターネットをふるに使って献金を募っているのに対し、マケイン氏陣営がこの対策でも後手を踏んでいる影響もあるとしている。

ところで、ここで注意して頂きたいのは、アメリカの政治家が外国人から献金を受け取ることはアメリカの選挙法で固く禁じられている。以前にもクリントン元大統領が中国系アメリカ市民から受け取ったとされていた献金が実はアメリカ市民を通した中国共産党からの献金だったことがバレてスキャンダルとなったことがあるのは、ここでも紹介した通り。

であるから、ここでいうオバマへのヨーロッパからの献金というのは、ヨーロッパに在住するアメリカ市民からの献金という意味でなければならない。つまりオバマは生まれ育ったアメリカに住むより外国であるヨーロッパ諸国に住むことを好むアメリカ人から人気が高いということになる。これまでオバマは夫人のミッシェルと共に、何かと現在のアメリカの姿を嫌う姿勢を見せてきた。彼の言う「変化」とはアメリカをもっとヨーロッパのように変化させたいという意味なのだろう。

ヨーロッパからの献金が多く集まったと言ってオバマは喜んでばかりもいられないとカカシは思う。なぜかというと、アメリカ人は往々にしてヨーロッパに比べられるのを嫌うからである。特にフランスなんかと比べて「おふらんすではこうしてるざ〜ます。それにひきかえアメリカは野蛮ざ〜ます」とやたらにフランスを引き合いに出す人間は忌み嫌われること間違いなし。

フランス系移民の子孫でフランス語が堪能だった2004年の民主党候補ジョン・ケリーが、ヨーロッパで生まれ育ったテレーザ夫人と普段はフランス語で会話を交わしていると語り、ジョン・レ・ケリーなどとおちょくられて人気ががた落ちしたことは記憶に新しい。

アメリカ人の多くはヨーロッパ諸国は社会主義が行き過ぎだと感じている。アメリカをよりヨーロッパ風にしようなどという政策には脊髄反射を起こす人も少なくない。そういう文化のなかでオバマがヨーロッパに媚へつらうのはアメリカ市民にとっては決して面白くないことなのである。

オバマはアメリカの大統領としてアメリカの国益のために働こうというのか、それとも「世界の市民」であること優先させて、アメリカは二の次になるのか、ライバル候補のマケインはこの点について強く問いつめるべきである。

July 26, 2008, 現時間 10:48 AM

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