May 7, 2008

エリート意識まるだし、ミッシェル・オバマの悲観的なアメリカ像

ジェラマイアー・ライトもさることながら、民主党大統領候補のバラク・オバマのミッシェル夫人の毒舌はかなりなもんである。

先日からロサンゼルスのラジオDJ、ヒュー・ヒューイットの番組でミッシェル夫人が先週から行っている選挙演説の抜粋を放送しているが、聴いていて信じられないような内容である。

先ずミッシェル夫人はオバマの民主党大統領候補指名が決定していない理由は常に周りの人間によって、目標の高飛びの棒が不当に上げられているからだと文句を言ったのにこじつけて、アメリカ庶民の生活も常に目標の棒が不当に上げられて人々は、どれだけ苦労しても目標に届くことが出来ないのだと語った。オバマ夫婦には庶民の苦労がよくわかる。何故なら自分たちも苦労している庶民だからだと言う訳だ。

ミッシェル夫人は自分たち夫婦が苦労人であることを強調したいらしい。

この間からバラク・オバマがペンシルベニアの有権者を卑屈になっているといって馬鹿にして以来、ライバルのヒラリー・クリントンがオバマをエリート意識に凝り固まり庶民の気持ちが理解できない人間だと言い続けているので、なんとかしてオバマ夫婦はこのイメージ打開をしようと必死なのである。エリート意識まるだしのヒラリーにエリート扱いされるんじゃオバマもおしまいだ。

バラク・オバマはケニアで白人のアメリカ女性とケニア男性の間に生まれた。両親はすぐ離婚し6歳まではハワイで育つ。その後母親の再婚相手のジャカルタの実家で4年間暮らす。その後はハワイへ戻って一流大学のコロンビア大学卒業後、これもまた一流のハーバード法律学校へ進み、弁護士となった。コミュニティーオーガナイザーとかいう訳の分からない仕事を数年した後、地方議員になり上院議員になりと、とんとん拍子で出世してきた人間である。

これがミッシェル夫人になると、もうエリートコースまっしぐらである。

ミッシェル・オバマ、1964年1月17日、イリノイ州シカゴ生まれ。 プリンストン大学を卒業後、ハーバード法律学校へ進み、シドニーオースティン法律事務所に勤務。年収楽に40〜50万ドルは稼いでいるエリート弁護士だ。

オバマ夫婦は二人の年収を会わせたら、楽に百万ドルは行くだろう。こんな金持ち夫婦の苦労とはいったいどんなものなのか、ミッシェル夫人の話を聴いていると思わず笑ってしまう。

ミッシェルは大学卒業後学生時代に借りたローンの返済額が月々の住宅ローン支払いよりも高かったと愚痴る。大学卒業した人間が借金だらけになる世の中は良くないと言いたいらしい。だが、一般家庭の人間はそんな借金してまで学費の高い名門校へなど行ったりはしない。何故ならそんなことをして卒業しても返せる当てがないからだ。ミッシェルがそこまでするからには返せる当てがあったということだ。それに普通の若い夫婦は大学卒業してすぐに百万ドルの住宅を購入するような余裕もない。

ミスター苺は学力ではプリンストンに受かったが、学費が高すぎてとうてい行かれなかったので、州立の大学へ行った。ミッシェルが借金したくなかったなら、無理して私立の名門校へなど行かず学費の安い州立のシカゴ大学へ行けばよかっただけの話。プリンストン大学へ行った人間が学生ローン返済に苦労したなんて、一般人にはばかばかしくて聴いてられない愚痴だ。エリート意識に凝り固まっているからこそ言える戯れ言である。

またミッシェルはバラク・オバマの母親の苦労話をする際に、彼女がカンザスの田舎町に生まれたにも関わらず大きな夢を持っていた、と語った。おいおい、カンザスの田舎町で生まれたら夢をもっちゃいけないのかよ、それってカンザスを馬鹿にしてないかえ?

ミッシェルは都会生まれなので常に地方の人間を馬鹿にする傾向があるが、こういうところにミッシェルのエリート意識が顔をのぞかせるのだ。この間のオバマのペンシルベニア州民への侮辱といい、今回のカンザス州民を田舎者扱いする態度といい、エリート意識まるだしだ。

しかもミッシェルはバラク・オバマが子供のころケニアやジャカルタといった第三世界に住んでいたことや、大学卒業後シカゴの貧民窟で住民救済活動をしていたことなどをあげて、バラクは「なにもかも見てきた」と自慢した。

ちょっとちょっと、ミッシェルさん、海軍の戦闘パイロットに志願して行かなくてもいい危険な任務に出かけていって北ベトナムの捕虜になり4年も捕虜生活をして拷問を受けたのに仲間を売り渡さずに帰ってきた人よりも、バラク・オバマは苦労人で何もかも見てきたって言うんですかえ?

ところでミッシェルはこの演説のなかで面白いことを言った

労働階級の庶民はどれだけがんばっても中々成功しない、自分も本来なら成功できない立場にあった。という文脈でミッシェルは自分は学校の成績は良くなく、全国の学力テストでも低い点数を取ったという。だから本来ならばプリンストンへも行かれないはずだったというのだ。ハーバードへも進めないはずだったと。

おかしいなあ。どうして点数が足りない人間が名門校に入れたのだろうか?もしかしてミッシェル・オバマは黒人優遇制度のアファーマティブアクションに救われたのでは?

そういえば、ミッシェルは学生時代にどうも自分が教授や同級生たちからよそ者扱いされてるように感じたと書いていた。自分はここに属しないという実感があったと。私はこれは彼女の被害妄想だと考えていたが、もし彼女が学力が足りないのにAA制度のおかげで身分不相応な大学へ進んだとすれば、周りから白い目で見られたとしても不思議はない。彼女が自分はこの大学に属しないと感じたのは実際彼女が属しなかったからなのではないだろうか。

ミッシェルが卑屈なのはアファーマティブアクションで不当に優遇されなければ成功できなかったという後ろめたさがあるからなのかもしれない。

May 7, 2008, 現時間 11:32 AM

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コメント

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下記投稿者名: mhgt

アファーマティブアクションが黒人のためにはならない、と言う保守的な黒人が、とても優秀に感じますね。人種差別の卑屈さって、元々ここから来てるんじゃないでしょうか?

 私は元々リベラルでしたが、最近のリベラルって、恥ずかしいとさえ思うようになり、今はもう中道(我が道)主義です。
 さて、オバマ氏ははっきり言いますが、サポーターが叫ぶほど、UNITEさせる人物だとは思えません。最近のガソリン税でヒラリー女史を罵倒するあたり、全く一般庶民の経済的な苦しみを分かってない、ヒラリーが言う彼の分析は『まとも』にしか聞こえません。浅はかな考えですけど、ヒラリーの方が数段エリートですが、騙されるならヒラリーの方がマシですよ。月$30ドルでも浮く方が、理由は同でもいいですから、と言う庶民の気持ちって、オバマ氏全く無視だよね~、で自分の学生ローンピーピー言ってるなんて、贅沢すぎます。金無かったらコミカレから出る人も多いんだよ~。大学資本の$4千を浮かせるなんて、金持ちとかにしか考えられない考えしか出てこないのかしら? この人は?
 今、3候補の中で一番エリート思考は彼ですよ。肌の色でごまかせるのも、アファーマティブアクションの結果なのでしょうか?

上記投稿者名: mhgt Author Profile Page 日付 May 8, 2008 7:55 AM

下記投稿者名: scarecrowstrawberryfield

mhgtさん、

私は通勤が長いのでガソリンの値上がりは非常に痛いですよ。なにせ往復120マイルですから。

アメリカは東海岸の一部を除いて、車なしでは生きて行けない国です。それに食料や他の国内輸送はすべてトラック輸送。ガソリン値上がり=インフレにつながります。

金無かったらコミカレから出る人も多いんだよ~

まさに私はその口。州から毎学期500ドルの教科書代の奨学金が出てすごく助かっていた人間です。

私は最初ヒラリーおばさんだけは勘弁してほしいと言ってましたが、最近はオバマの方がよっぽど恐ろしいとおもうようになりました。


カカシ

上記投稿者名: scarecrowstrawberryfield Author Profile Page 日付 May 8, 2008 2:23 PM

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