November 27, 2007

信用度低い、ヒラリーが共和党候補には勝てないというゾグビー世論調査

ヒラリー・クリントンがアイオワコーカスでは不利な模様だという話をこの間したが、昨日ゾグビーの世論調査で共和党候補との一騎討ちではバラク・オバマとジョン・エドワーズのほうが有利だという結果が発表された。

調査結果によると、クリントン氏は、共和党のジュリアーニ前ニューヨーク市長、ロムニー前マサチューセッツ州知事、マケイン上院議員、トンプソン元上院議員の4候補との比較でそれぞれ5~3ポイント差で敗れた。7月時点では4候補全員に勝っていたが、今回逆転された。無党派、若年層の離反が響いたという。

一方、オバマ氏は共和党4候補に全勝。民主党3番手のエドワーズ元上院議員も3勝1分けだった。クリントン氏は全米規模の支持率で首位を維持。このため民主、共和両陣営からの批判を一身に集めていることが苦戦の背景にあるとみられる。

ヒラリーおばさんだけは勘弁してもらいたいカカシとしてはこの話は一見良いニュースだ。残念ながらこの調査、そう手放しで喜べるほど信用できるものではないのだ。まず世論調査というもの、特にまだ選挙まで一年近くもあるこの時期に行われるものはあまり当てにならない。しかもこれはオンラインアンケートで、9,150人を対象に11月21から26日にかけてオンラインで行われたという。

対象がオンラインで政治アンケートに答えるくらい四六時中コンピューターに張り付いている人間だということと、対象となったサンプルが少ないということを考慮にいれるべきだろう。我々はオンライン人間だから何でもかんでもオンラインですることが普通になっているが、まだまだ一般市民はそれほどオンラインに頼っているわけではないのだ。

1948年にシカゴ・トリビューンが大統領選挙の世論調査を電話アンケートで行ったことがある。その結果実際には圧勝したトゥルーマンが惨敗するという結果が出たという。これは1948年当時に電話を持っていたエリート市民だけを対象にしたことによる偏った結果に問題があった。今回のオンライン調査も似たようなものである。

ミスター苺によると、アメリカの世論調査は往々にして民主党のサンプルをとり過ぎるそうだ。これは意識的にそうしているというわけではないが、週末に電話でアンケートをとる場合、週末は家族サービスで忙しい共和党支持者はながながとアンケートに答えずにきってしまうことが多い。民主党支持者が多い都市部での調査は自然と民主党に偏ってしまう。むろんこの偏向は単に返答した人たちの投票登録がどちらの党かを聞くことによって、調査結果をアメリカの投票登録者の割合と調整すればいいだけの話なのだが、一般の調査会社はこれをしない。彼等の理屈は共和党に登録している人間が必ずしも共和党候補を支持するとは限らないからだというものだ。これは阪神ファンが巨人と阪神のどちらがいいチームかときかれて、巨人と答える可能性が大いにあるといっているのと同じで馬鹿げた理論なのだが。

無論、今回の調査は民主党支持者だけが対象だから民主党よりの偏向は影響をもたない。だが、今回の偏向はオンライン使用者のみという対象にある。世論調査ではサンプルが一番大切だ。誰を対象にしたか、それが一般の人口分布を反映しているかどうか、それがはっきりしなければその調査結果は意味あるものとはいえない。

そういう意味で今回のゾグビー社の調査はそれほど信用のおけるものとは言えないのだ。

November 27, 2007, 現時間 1:03 PM

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