September 6, 2007

人気テレビキャスターも同意。イラク新作戦の成功に焦る左翼

ニューヨーク代表、民主党のチャック・シューマー上院議員は本日、「イラクで暴力行為が減っているのは増派のおかげではなく、増派にも関わらず減っているのだ。」と金切り声をあげ、地元の部族がアルカエダなどのテロリストに立ち向かっているのは米軍が不能で役立たずだからだと断言した。

しかし、イラクを訪問もせずワシントンで自分勝手なことを繰り返しているシューマー議員の意見とは裏腹に、イラクを訪問中の人気女性ニュースキャスターであるCBSのケイティ・クーリックが「イラクは良くなっている」と報道したものだから、反戦派の左翼たちは大慌てである。

CBSといえば、かなり左よりのテレビネットワークで、先のニュースキャスターのダン・ラザーなどはブッシュを陥れたいがためにブッシュの兵役記録に関する偽書類を発表して大恥をかいた過去があるほど反ブッシュのテレビ局である。ラザーの後を継いで大手ネットワークのニュースキャスターとしては初女性キャスターとして抜てきされたケイティ・クーリックも、およそ保守派とはいえない。それで彼女のイラク訪問予定が発表された時も、保守派の間からは視聴率をあげるためのただのパフォーマンスに過ぎないとか、安全なところで兵士と記念撮影した後でイラクは全く良くなっていないと報道するに違いないなどと、行く前からさんざん叩かれていた。それだけに、彼女の「イラクは良くなっている」というリポートの衝撃は大きい。

本当に驚きました。東バグダッドへいった後、私はハイファ近くのアラウィ市場(いちば)へ連れていかれました。ここは今年の一月に血みどろの銃撃戦があった場所です。それなのにこの市場は大にぎわいなのです。たくさんの人出なのです。家族経営のお店や野菜の屋台などがたくさん出ているのです。

ですから私は普通の生活の徴候をみたのです。もちろん私が見たのは米軍がみせたいと思ったところだけなのだということは念頭に入れておく必要があります。しかしそれでもこの地域が良くなっていることは確かだと私は思います。

もともと戦争に賛成している議員や、元兵士の従軍記者などがどれほどイラクの状況は良くなっていると報告してみても、主流メディアが毎日のようにイラクでのテロ事件や泥沼状態やアメリカ兵の悪行などをデカデカと報道しているうちは一般アメリカ市民のイラク観を変えることは難かしい。であるから一般市民がイラク戦争を支持するためには、戦場において主流メディアですらも無視できないほどの成功が必要なのだと以前から言われていた。

そしてその時が遂に来たのだとカカシは確信する。

イラクを訪問した反戦派の民主党議員や調査団体や主流メディアのジャーナリストたちが、口を揃えてイラクは良くなっていると報告していることを、アメリカ軍は見せたいところだけを見せているだけで、これらの人々は米軍のやらせ劇にだまされているのだと左翼ブログのThink Progressは書いている。

確かに米軍が招待して米軍が案内をしている戦場であるから、危険な場所へなど視察団をつれていくはずはない。だが、以前に危険だった悪名高いハイファ通りが視察団を連れて行かれるほど安全になったという事実はいくらThink Progressでも否定できないはずだ。

さて、これに対して、イラクはそれほど良くなっていないという報告書を最近提出したのは議会期間のGAOである。それによるとイラク情勢は18項目のうちたったの3項目した達成していないとある。

ワシントン(CNN) 米議会の調査機関、会計検査院(GAO)は4日、イラク戦費法に盛り込まれた同国の目標達成基準について、独自の評価をまとめた報告書を発表した。18項目の基準のうち、「達成した」と評価されたのは3項目で、「部分的に達成」が4項目だった。

報告書によると、達成された項目は(1)少数派政党の権利保護(2)首都バグダッド近郊に合同治安拠点を設置(3)バグダッド治安計画を支援する委員会を設置——の3件。一方で、地方自治法の施行、復興資金への100億ドル割り当てといった項目は部分的に達成されたものの、宗派間抗争の沈静化、憲法制定、石油収入の分配、選挙実施などへ向けた主要課題では、目標が達成されていないとの厳しい評価が下された。

GAOのウォーカー院長は、上院外交委員会での証言で、「イラクでは全体として、主要な法案は成立せず、激しい暴力も続いている」と指摘。米軍の増派戦略の成果についても、「宗派間抗争の沈静化という目標が果たされているかどうかは不明。敵対勢力からの攻撃回数という観点では、減少の兆しがない」と述べた。ただ、ウォーカー氏は一方で、「多国籍軍による努力や、西部アンバル州などでの治安改善」を指摘し、今後の進展に希望を残している。

はっきりいってGAOには調査委員は存在しない。GAOの代表がイランを視察に出かけたという話は聞いたことがないし、いったい何を根拠にイラク情勢を判断しているのかその調査方法も明らかにされていない。このような報告は書かれている紙切れほどの価値もないと私は考える。

それにGAOが掲げている項目は非現実的な理想であり、GAOも認めている三項目がほかの項目に比べて非常に大切なものであるという認識が全くされていない。イラクでの勝利条件とは、イラクの治安が一応安定して、イラク軍が自分達で外国勢力のテロリストや宗派間争いから一般市民を守ることができる状態だったはず。イラクがテロリストの温床とならず、比較的安定した独立国家となれば、後の細い政府の問題はイラク人が解決していくことだ。アメリカがいちいちどうのこうの口出しすることではない。

アメリカ国内ですら民主対共和で政策はまっぷたつに割れているではないか、それをイラク政府の内部で全員一致の政策がとられるまでイラク状況は成功したことにならないなどという条件をつけたら、イラクは永久に「成功」したことにならない。このように考えれば、GAOの報告がどれほど馬鹿げているかが理解できるだろう。

だが、裏を返せば、そのような重箱の隅をつつくようなことをしなければ、イラクは失敗だといえなくなっている現状があるということだ。

September 6, 2007, 現時間 4:28 PM

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