June 19, 2007

危険物を含む中国製のおもちゃアメリカ全土で次々にリコールされる!

ちょっと〜、中国、いい加減にしてよ、もう!

昨日も賞味期限が二年前に切れた冷凍食品をラベルだけかえて出荷しようとしている中国の冷凍食品会社の話をしたばかりだが、今日のニューヨークタイムスの見出しに中国製のおもちゃがアメリカで大規模にリコールになったとあるのが目についた。

リコールされているおもちゃは「トーマスとお友達」という機関車のおもちゃで、その塗料になんと服用すると脳障害を起こす鉛が含まれていることがわかった。このおもちゃは三歳から五歳程度の幼児の間で人気があるが、このくらいの歳の子供はなんでも口に入れるからこれは大変に危険だ。

中国製おもちゃは先月にも偽目玉のおもちゃに灯油が含まれていることがわかってリコールされたばかりであう。これまでにも鉛の塗料は中国製のぬいぐるみの熊や太鼓などからも発見されており、乳児用のおもちゃにのどに支えるような小さな部品が含まれてリコールされた例など、中国製の危険なおもちゃがリコールされた例は数知れない。

ニューヨークタイムスによるとアメリカ国内でリコールされる中国製品の数はここ5年間でそれまでの倍に増えたという。去年アメリカでリコールされた中国製品はなんと467種にものぼりこれまでの記録で最高だという。つまるところ、現在アメリカでリコールされる製品のうち60%が中国製であるという計算になる。

もっともこれは中国製品が最近危険になったというよりも、中国による世界のおもちゃ市場拡大が直接の原因となっている。いまや中国はアメリカ国内で販売されるおもちゃの70から80%の製造元となっているからだ。

中国の製造元の品質管理がずさんであることは、これまでにもあった一連の毒物入りペット食品や、偽グリセリン使用の歯磨きや医薬品などからも分かるように、明らかなはずである。とすれば中国に品質管理を期待しても無駄だ。輸入する側の国が中国製の製品には特別に厳しい監視の目をむけるべきで、中国が姿勢を改めない限り中国製品の輸入を大幅に規制すべきである。

先日も紹介した毒性のある偽グリセリンによる中毒にしろ鉛にしろ、欧米社会では何十年も前からその危険性は知られており、自分達の得た痛い経験からこうした製品は厳しく取り締まわれている。アメリカの食品薬品局が設立された直接の原因は毒性の偽グリセリン使用により大きな被害がアメリカで出たことだったのだから。

いまでこそ品質管理という点では非常に神経質で定評のある日本製品だが、日本はいつもこのように高度な製品を製造していたというわけではない。1950年代から60年代にかけて、安価な日本製品がアメリカ市場に出回ったが、その時はメイドインジャパンと言えば「安かろう悪かろう」というあまり好ましくない評判だった。それが多々の失敗を繰り返しそこから学ぶことによって今や世界中から日本製品は安全でしかも質がいいと信頼されるようになったのである。

つまり、日本も含め欧米社会も決して最初から今のように公害対策だの品質管理だのに心掛けてきたわけではない。18世紀後期から19世紀の初期に始まった産業革命は欧米社会にこれまでにない富をもたらした。しかしそれとともに工場性機械工業を取り入れることによる公害の悪影響はひどいものだった。我々はイギリスの首都を「霧のロンドン」などというが、ロンドンの霧はほとんどスモッグだったという話である。

日本でも水俣病など知られるように、工業用廃水垂れ流しによる環境汚染が改善されるまでずいぶん時間がかかった。

欧米諸国や日本がいまのようにきちんとした安全対策をとれるようになったのも、我々が道義上中国より優れているからというよりも、自分らの住む環境を破壊したり消費者を殺してしまうような近視眼的な利益主義は長い目でみて決してよい商法ではないと学んだからである。

しかし我々先進国がそうした勉強をしていた時代には前例がなかった。だから我々は被害が出て初めてその危険性を学び対策を考える以外に方法がなかった。それにひきかえ中国や他の発展途上国は先進国の間違いから学ぶという非常に有利な立場にあるといえる。公害や事件がおきてしまってから対策を練らずとも先進国の公害対策や品質管理をそのまま受け入れれば後進国は先進国が出したような多大なる被害を出さずに産業革命の恩恵だけを受けることが可能という恵まれた環境にあるのである。

にもかかわらず中国は欧米社会が百年前に犯した間違いをそのまま繰り返している。産業の発展に長年の共産主義の悪影響で政府は臨機応変に対応できていない。

中国が資本主義を取り入れ、このまま経済を発達させればいずれは中国も先進国のように公害対策や陰湿管理の大切さを学ぶであろう。問題なのはそれまでに何十年かかるかわからないということと、その間に出る被害の数々である。現在のようなグローバル経済では中国の間違いは中国だけではおさまらない。中国の危険物は世界中の市場に出回って多大なる被害を及ぼすからだ。

中国そのものが大人になるのを我々は悠長に待っているわけにはいかない。中国が早く19世紀のメンタリティーから抜け出られるように、我々諸外国が中国に圧力をかける以外今のところ方法はない。諸外国からの注文が極端に減って利益に直接悪影響を受ければそのときこそ中国も品質管理の大切さを学ぶであろう。資本主義こそが最高の安全対策だからである。

June 19, 2007, 現時間 12:04 PM

エントリーが気に入ったらクリックしてください。
にほんブログ村 政治ブログへ

トラックバック

この記事のトラックバックURL: http://biglizards.net/mt4.21/agakhantrack.cgi/2186

コメント

前のコメント

登録ありがとうございます。 さん コメントを残して下さい。 (サインアウト)

このサイトへ初めて投稿される場合には、サイト主による承認が済むまで投稿が画面に現れないことがあります。しばらくお待ちください。


登録者を記憶する(URL必要)


© 2006-2015 by 苺畑カカシ - All Rights Reserved