May 6, 2007

大高未貴さんイスラエルを語る

日本のメディアもブログもことイスラエル・パレスチナ問題になるとパレスチナ寄りの報道が多い中、イスラエル側の立場を理解している女性ジャーナリストのインタビューを見るのは非常に新鮮である。

ぼやきくっくりさんが紹介してくださっているこのインタビューは一読の価値あり。下記はくっくりさんの感想。

日本ではどちらかと言えば、「パレスチナ=善、イスラエル=悪」という図式で報道されることが多いような気がしますが、これはやはりイスラエルの後ろにアメリカがついてるからでしょうか?ほら、日本のマスコミってたいがい反米ですから。

私は日本のマスコミは反米だからというより、諸外国(特にヨーロッパは)反イスラエルなのでそこに同調しているだけなのではないかと思う。またアメリカも国自体はイスラエルと同盟国であり政府は親イスラエルだが、アメリカのメディアは決し親イスラエルとはいえない。日本のメディアはアメリカメディアの報道を独自の取材もせずに邦訳しただけの焼き直し報道をやっているので、アメリカメディアの反イスラエル偏向がそのまま報道に反映するのではないかと思う。

そんななかで、自分から中東へ足を運び実際にアラファト議長と対談をするなどして独自の取材をした大高未貴さんの語るイスラエルには意義がある。

大高 イスラエルの人々は、徹底した個人主義ですが、同胞が殺されたときには一致団結し徹底抗戦する。...1972年のミュンヘン五輪で、イスラエル選手団11人がテロで死んだ事件では数年かけて首謀者ら関係者20人以上を報復暗殺しました。自国民が理不尽な厄災に見舞われたら徹底的にやり返す。それが暗黙の“国是”になっています。

野口 一方で、自国将兵の命を守るためには、大胆な譲歩もする。

大高 1985年5月、レバノンでPFLP(パレスチナ解放人民戦線)に拉致された軍人3人の奪還では、イスラエル刑務所にいたパレスチナ人の政治犯や殺人犯ら1150人を解放した。この中には、日本赤軍の岡本公三容疑者もいました。4人がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(神の党)に拉致された事件では、パレスチナ人ら443人の政治犯を釈放した。背景には、「1人の兵でも救出しなければならない」という思想があります。

野口 ところが、テロリストへの大幅譲歩は、テロリストに将兵拉致の戦術的有効性を認識させてしまった。IDFは教訓にしましたね。

大高 2000年10月、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ラマラで凄惨(せいさん)な事件が発生。パレスチナ警察署内にいたIDF軍人2人が、乱入してきたパレスチナ人暴徒に惨殺され、群衆に四肢をバラバラにされた。IDFは「事件を放置したら将兵の士気を著しく下げる」と、猛烈な報復攻撃を敢行しました。

野口 2002年4月、ヨルダン川西岸ジェニンで、IDFが500人を虐殺したとパレスチナ側が発表し、イスラエルへの非難が高まりました。このとき、エルサレムでIDFの軍医にインタビューしたのですが、パレスチナ側の発表と食い違っていた。軍医は「パレスチナ住民への誤射」を認めた上で、「パレスチナ過激派の戦闘方法は想像を絶した。6歳の子供が近づいて来たので、兵士が声をかけると、その子はパイプ爆弾入りのカバンをほうり投げて逃げた。老人や女性が手をあげて近づいてきたと思ったら、隠れていた過激派の銃が火を噴いた」と話していました。

大高 パレスチナの一般人には同情しますが、西側メディアは、パレスチナのプロパガンダに乗せられやすい。イスラエル政府高官が「ユダヤ人にはアラブ民族以外にも敵がいる。センセーショナリズムに流され、視覚効果ばかり狙う米系メディアだ」と話していたのが印象的でした。(強調はカカシ)

イスラエルは同胞を取り戻すために過剰反応を起こして反撃するかと思えば、信じられない妥協をしたりする不思議な国だが、大高さんの説明で多少その謎が解けるように思う。日本のジャーナリストで「西側メディアは、パレスチナのプロパガンダにのせられやすい」などという人は初めて聞いた。やはり取材は他人の受け売りでは駄目だという証拠だろう。

大高さんはアラファト議長と二度対談しているが、一度目の時はカリスマのあるパレスチナに希望を与える英雄だという印象をもったのにたいして、オスロ合意で世界中から支援金が送られてくるとパレスチナのインフラには全く還元せず、自分の私腹を肥やし、一般市民がイスラエルへの関門を通るのに何時間も待たされるような状況については完全無視していたアラファト議長。二度目の対談でそれに関する質問には答えず子供たちと一緒にニコニコ顔の写真ばっかり撮らせたアラファトは「この手のパフォーマンスはどこかの国の首領様とそっくり」だったとか。

その他にも色々面白い内容なのでみなさんも是非全文をお読みくだされ。

May 6, 2007, 現時間 10:58 AM

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