April 29, 2007

犯罪者の国籍、人種、宗教は公開すべきか?

この間のバージニア工科大学乱射事件の犯人が韓国系移民だったことから、AAJA(Asian American Journalists Assoication)というアメリカの東洋人ジャーナリストでなりたつ団体が犯人を「東洋人」と報道するのはやめるべきだと声明文をだした。要するに大量殺人鬼が東洋人だとなると東洋人のイメージダウンになるというわけである。

東洋人が何か社会的貢献をした場合にはやたらに「東洋系アメリカ人」と強調するくせにまったくのダブルスタンダードというものだ。だいたいチョーなんとかなんていうヨーロッパ系移民がいるか?名前だけで韓国人なのは一目瞭然ではないか、ばかばかしい。

主流メディアが犯人の国籍、人種、宗教を報道する場合に、その姿勢は全く一貫していない。例えば数カ月前にアメリカでおきたショッピングセンターでの乱射事件では犯人がイスラム教徒であったことがずいぶん長いこと明らかにならなかった。フランスでバス放火をして若い女性を大けがさせた犯人たちもイスラム系移民のギャングたちだったのに、「ヨーロッパ系でない移民の若者」とかいう遠回しな言い方をして地元イスラム教徒の神経を逆撫でしまいという気遣いがされていた。

しかしオーストラリアで白人が暴動を起こせば、「ケルテック系オーストラリア人」(注:celticとは英国のアイルランド、スコットランド、ウェールス系の人種をさす)と明記。ユダヤ教徒がモスクでも落書きした日には「ユダヤ人ユダヤ人」と大騒ぎになる。

私は、だいたいからして、ある犯罪をおかした人物の国籍だの人種だのでその人間の属する社会全体を白い目でみるような人種差別的な考えに問題があるのであり、報道すること自体に問題があるとは思わない。ある日本人がイギリス人女性を殺したら、日本人は皆猟奇的な殺人鬼だなどと思う人がいたらその人の神経がおかしいのだ。

ただ宗教の面においては、イスラム過激派によるテロリスト問題があるので、犯人の行為がテロなのか単なる個人の犯罪なのかを識別する意味でそれなりの判断はされなければならないが。また外国人暴力団による犯罪などがあった場合には犯人がどのような犯罪グループに所属しているのか突き止める必要もある。

私が長々と前置きを書いている理由は、「博士の独り言」さんが批判を受けている長崎市長殺害事件の話をある左翼ブログで読んだことにある。博士はある情報源から犯人が在日韓国人だったという情報を得てそれを発表した。左翼ブログによると博士は、犯人が在日韓国人だったとして、バージニアの件といいこの件といい韓国人は暴力的だというような書き方をしたとある。もし博士がそのような書き方をしたのなら問題はあるが、しかしこの反響はそういうものではないというのが私の印象だ。

博士を攻撃している人々は、犯人が「朝鮮系移民の子孫」だったという報道が気に食わないのである。これは非常に人種差別的な考え方だ。犯人の祖先がどこの国の人間であろうとどうでもいいことではないか。たとえ彼が在日でもほかの在日韓国人に関係はないはずだ。祖先が同じ民族だということと個人の犯罪と何の関係があるのだ?

この間のイギリス女性が殺された船橋は私の故郷であり、あのあたりの英語学校には私も父も通ったことがあるし、知り合いのアメリカ人が何人か英語講師をしていたこともあるので他人事という気がしない。正直こういう事件で故郷の名前が出てくるのは個人的に非常に気分が悪い。しかしだからといって殺人犯が船橋市民だからといって船橋出身のカカシになにかしら否定的な影響があるなどということは全くない。当たり前のことだが他の船橋市民全体についてもこの事件の責任は全くない、当たり前だ!

だから私は左翼系ブログは博士への批判を取り違えていると考える。犯人が実際に在日であったかどうかということなど、ハッキリ言ってどうでもいいことのはずだ。その情報源がなんであろうとそんなこともどうでもいいはずだ。もし彼等が博士のいったことに抗議したいのであれば、「たとえ犯人が在日だったとしても、そのことで在日全体を侮辱するのは人種差別だ」といえば済むことなのだから。

私は犯人の国籍・人種・宗教がある特定の人々の場合には報道してはならないという考えには全く賛成できない。ましてやそれが地元人権団体などの圧力に負けてのことならこれは言論や報道の自由の妨げになる。

大事なことは我々が個人の行いの責任は個人にあると認識することである。偶然我々と血液や出身地を共有した人間が個々になにをしようとグループ全体には何の責任もないし、他の個々とも全く無関係だ。そのことさえ理解できれば、犯罪者がどこ出身の何人であろうと我々が常に警戒心を持つ必要はないのである。

April 29, 2007, 現時間 4:06 PM

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