April 26, 2007

嘘だらけリード米上院議員「イラク戦争は負けた」発言

米上院議会の多数党リーダーである民主党のリード上院議員の「イラク戦争は負けた」宣言は引き続き色々な波紋を呼んでいる。

この間もディック・チェイニー副大統領がリード議員を強く批判した話をちょっとしたが、私が読んだAPの記事ではその内容まではあまり触れていなかったので、ここでもう少し詳しくご説明しよう。普通副大統領は議会には出席していても自分から意見を述べるということはしない。議案の投票にも賛成と反対が五分五分の時だけ投票して同点を防ぐくらいだ。その副大統領がリード議員の発言について記者たちの前で抗議するというのはよっぽど腹がたったという証拠だろう。(以下はThe Raw Storyより抜粋)

「昨日の(リード上院議員)の発言は非常に残念です。議員の発言は全面的に情報不足で誤解を招くものです。リード上院議員はイラクに関していくつもの姿勢をとってきました。議員はもしブッシュ大統領が今回の提案中の補充議案を否決するならロス・ファインゴールド議員の案を送ってイラク戦費を全面的に差し止めると脅かしました。しかし去年の11月にリード上院議員はイラクの戦費を差し止めることはあり得ないと約束したばかりなのです。つまり6ヶ月もたたなうちにリード議員は戦費を充分な予算をあてがうという立場から条件付であてがうに変わり、さらに全面的に差し止めると変わったのです。わが国が面する非常に大事な外交政策と国家の軍事に関して、たった5ヶ月の間に三回も立場をかえているのです。

「(リードの言う)イラク増派はイラク調査委員会の推薦に反するというのは誤りです。イラク調査委員会の報告書ではバグダッドの警備のため増派が好ましいと明記されています。」

またチェイニー副大統領は、リード上院議員がイラクでは地元政府との話し合いがされていないとか、大統領は米議会と意味のある会議を開いていないと言っているが、リード自身ホワイトハウスでの会議で大統領とは異議のある話しあいをしたと述べていたと、リード議員の矛盾を指摘している。さらに副大統領は、

「リード議員の昨日の発言で何よりも問題なのはその敗北主義です。事実先週もリード議員は戦争はすでに負けたといいました。そして議員の押している時間制限は敗北を保障するものです。

「これは政治的な計算によるものなのかもしれません。...一部の民主党のリーダーたちはイラクに関する政策に盲目に反対することが政治的に有利なことだと信じているようです。 リード議員自身イラク戦争のおかげで次の選挙では自分の党が議席を増やすと語っています。政治的に有利になるからといって敗北宣言をするなどというのはあまりにもシニカルです。指導者たるもの国の安全を守る政策をそのような自分勝手な政党の都合で決めるべきではありません。」

これに対してリード上院議員は「大統領はよく自分の番犬を送り込む」などと副大統領を番犬扱いしておきながら、説明を求められると「個人的な中傷誹謗は避けたい」などと言い逃れをした。自分がいま中傷誹謗をやったばかりなのも知らん顔。

リード議員の「戦争は負けた」発言は民主党内でも失言だったという解釈がひろまったようで、その後リード自身も繰り返していないが、CNNのインタビューでその話を持ち出されたリード議員は苦し紛れに次のような言い訳をした。この話はこの前もちょっとしたがそのインタビューのトランスクリプトが一部手に入ったので紹介しておこう。

司会者: 「戦争は負けた」という言い方はかなり神経を逆撫でしましたが、その言葉を守り通りしますか?

リード: ペトラエウス将軍も軍事的な勝利の可能性は20%しかないと言っています。彼は現場に今いるひとです。彼が戦争の80%は外交、経済、そして政治を通じて勝つべきだと言っているのです。私はペトラエウス将軍に同意しているのです。...

司会者: しかし、将軍は戦争に負けたとは言ってません。もう一度お聞きしたいのですが、、、

リード: 将軍はペトラエウス将軍は軍事力だけでは戦争に勝てないといっているのです。彼がそう言ったのです。...

司会者: 18か19でイラクで任務についている人たちが、命をかけて、時には命を失っているひとたちが、ワシントンから自分達はすでに負けた戦争のために戦っていると聞かされるのはなんだな思いませんか?

リード: ペトラエウス将軍がそう言ったのです。

司会者: 将軍がどういうふうに言ったのですか?

リード: 将軍は軍事力だけでは勝てないと、そう言ったのです。彼は現場の司令官です。

司会者: しかし議員、それはちょっと違うんじゃ、、.

リード: 彼らは将軍が間違っているとでも?

司会者: しかしそれと戦争に負けたと言うのとでは違うんじゃないですか?

リード: ま、それはその、言葉の使い方であって、ペトラエウス将軍は軍事的には勝てないといってるわけですから、、兵士らは皆彼が何と言ったか知ってるのではないですか? そう思いますよ...

司会者: (大統領は)ペトラエウス将軍はワシントンに来てイラクでの進歩を明確にすると言ってます。いわゆる増派もうまく言っているといってますが、将軍がそう言ったら信じますか?

リード: いえ、信じません。事実はそうではないからです。

あれ? 地元の司令官の言うことだから信じるんじゃなかったのかな? それとも自分に都合のいい部分だけは信じるが、そうでない部分は信じないとでも?

しかしリード議員が何度もペトラエウス将軍が言ったと繰り返している発言とは実際はどのようなものだったのだろうか? Mudvillegazetteが説明する

歴史を勉強したものなら誰でも気がつくことだが、イラクのような反乱分子の問題は軍事力によって解決することは出来ない。軍事行使は警備の安全保障のために必要だが、これまで述べた理由の通り、充分な方法とはいえない。

軍事行使は必要だが充分な方法ではない。」と「軍事では勝てない」とでは意味が違うし、ましてや「戦争に負けた」では全然意味が違うではないか! リード議員は自分の失言を撤回せずにどうにか他人のせいにして誤魔化そうという魂胆らしい。

そして肝心のペトラエウス将軍はワシントンで議会の質疑応答に応じる予定だが、下院議会のペロシ議長は降伏議案を通すのに忙しくて将軍の話など聞いてる暇はないと当初、公聴会を設けないと言い張っていたが、あまりの批判に公聴会は開くことになった。しかし彼女自身は忙しいので欠席するそうだ。

まったくしょうがないね。民主党は。

April 26, 2007, 現時間 3:50 PM

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