April 6, 2007

恥さらし米下院議長ペロシ女史の中東訪問

アメリカでは政権及び大統領に任命された外交官以外の人間が国の代表として外交するのは違法である。一個人が親善の形で他国を訪れるのはかまわないがアメリカの外交政策について他国の勢力者と直接交渉するのは禁じられている。

だがこの法律は結構しょっちゅうやぶられており、やぶった人間が法的に裁かれるということは先ずない。クリントン政権中に元大統領のカーター氏が独断で北朝鮮と交渉を行って時のクリントン政権に大恥をかかせたことなどはその典型だ。(おかげで北朝鮮の核兵器開発をアメリカは指をくわえて見守る形となってしまった。)

今回の米下院ペロシ議長の中東訪問も国の外交官としての正式に任命を受けたわけでもないのに、ペロシ女史は国務長官のライス女史を差し置いてのこのこでかけていって大恥をさらしている。主流メディアのなかでも比較的民主党寄りのワシントンポストですらも、国会議員が外交をしてはいけない典型などと言ってペロシ女史の軽々しい行為を批判している。

イギリス兵返還のニュースと共にニュース映像を埋め尽くしたのがシリアを訪れた下院議会議長のペロシ女史の醜いスカーフ姿。私は別にペロシ女史がブスだと言っているのではない。イスラム教女性の衣装であるヒジャブと言われるこのスカーフをまとい、化粧なしのすっぴん顔で聖廟を訪れるという行為そのものが醜いと言っているのだ。女史は自分がどれだけアメリカ代表としてシリアにコケにされたのか全く分かってない。女史がアメリカ国内でいつも自慢げに着ている真っ赤なデザイナースーツやどぎついほどの真っ赤な口紅をつけミニスカートにハイヒール姿ででも登場してくれたならまだいい。それがすっぴんにヒジャブ? 冗談じゃない!

ジャーナリストなどの一介の市民と違い、ペロシ議長はアメリカの都合はどうあれアメリカの顔として世界のメディアは報道しているのだ。そのアメリカの顔が独裁国シリアの女性蔑視の屈辱的な慣習に従うということはアメリカは独裁者アサドよりも下位にあると表現したようなものである。シンボル的な力関係が多いに影響を及ぼす中東外交でこのような行動は愚かとしか言い様がない。

ナンシー・ペロシの愚かなシャトルバス外交(ワシントンポスト)

Thursday, April 5, 2007

下院のナンシー・ペロシ議長(民主、カリフォルニア州代表)は昨日なぜ国会議員が国務長官の代理外交をやってはいけないのかという典型的な例を披露してくれた。ダマスカスでシリアの独裁者バシャー・アルアサドに会見した後、ペロシ女史はイスラエルのエクド・オルメルト首相からの「イスラエルは和平交渉をする用意がある」というメッセージを伝えたと発表した。さらに女史はアサド大統領も「平和行程を進める意志がある」と付け加えた。この外交的成果を発表した後、ペロシ女史はキッシンジャー式シャトルバス外交はまだ始まったばかりだとほのめかした。「私たちは私たちの良いオフィスを通じてイスラエルとシリアの仲を取り持っていきたいと思います。」と女史。

しかしここにひとつ問題がある。イスラエルの首相はペロシ女史にそのような伝言を頼んでいないのである。「合衆国議会議長に伝えた内容のなかにイスラエルの方針を変えるものは一切含まれていない。」と首相側は慌てて声明を発表した。事実オルメルト氏はペロシ女史に「最近ダマスカスを訪れた何人もの上院下院議員が受けた印象はバシャー・アサドの公式発表とは裏腹にかの国のイスラエルとの和平について方針は変わっていないというものだ。」と語っている。つまりペロシ女史はイスラエルの立場をわい曲しただけでなく、たった一人アサドの言葉がプロパガンダであることを見抜けなかったのだ。

ブッシュ政権はシリアとの正式な外交は差しとめている時であり、下院議長のダマスカス訪問はシリアに錯誤したメッセージを与えるものだと批判している。その批判に対してペロシ女史は大統領の正式許可をもたずに共和党下院議員がダマスカスを訪れたこともあると抗議した。しかしそれらの議員たちは中東問題に首をつっこむようなことはしなかった。「私たちは友情と希望そしてダマスカスへの道は平和への道という信念で来たのです。」とすっかり外交官気分のペロシ議長。これだけから度素人は始末が悪い。

ワシントンポストはペロシ議長の今回の中東訪問といい、議会が大統領の軍総司令官としての大統領の意志と完全に矛盾する政策を無理矢理おしすすめようとする議案の数々についても強い批判をしている。ポストはなんとペロシ女史は大統領に取って代わって影の政権を作ろうとしているとし、そのような行為は愚かであるとさえ指摘している。民主党寄りの新聞にここまで言わせてしまうナンシー・ペロシ下院議長。

戦争中に戦費予算削減を訴えて最近下がっている民主党の株が議長の愚かなシャトルバス外交によってまたぐっと下がってしまった。

April 6, 2007, 現時間 12:23 PM

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下記投稿者名: rice_shower

民主党政権に移行した後の中東政策変換に、今から着手し始めている、ということなのでしょうかね? 
ブッシュさんの事前予測に反した増派に対し(if成功→次期共和党政権)、慌ててカウンターバランスを取ろうとしているのでしょうが。

上記投稿者名: rice_shower Author Profile Page 日付 April 7, 2007 5:48 AM

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