January 14, 2007

保守派イラン人、イランブロガーに異議あり!

昨日紹介したイラン人ブロガーのインタビューに対して、ヒューのところへ聴取者からメールが来た。メールの著者もイランからアメリカに移住した人だが、レーガン流保守派を誇りに思っているというこの聴取者はホセイン君のいい分にはかなり腹が立ったようである。この著者にいわせるとホセイン君の意見は一般のイラン人の見解とはほど遠く、あれが一般のイラン人の見解だと他のリスナーの人たちに勘違いされるのは叶わないとしている。

私はここミネソタのペルシャ語衛星放送をよく見ます。そこでアメリカの軍事行使によるイスラム共和政府への介入の話が出る度にイランの視聴者からかかってくる電話のほとんどが、アメリカの直接な軍事攻撃によってこの殺人的な政権を取り除いてほしいという意見です。科学的な世論調査をしたわけではありませんが、ほとんどの人々が後進的な機構を望んでいないことは明らかです...

としてこのメールは始まる。

実はカカシも昨日このイランブロガーのインタビューを訳していて感じたのだが、彼は自分をリベラルだと言ってはいたが、元大統領のラフサンジャニをリベラルだなどと表現しているところから、彼は単に反アクマネナジャド派なだけで、自分はかなりの現政権寄りの人間なのではないかという印象はあった。

このことについてメールの著者もラフサンジャニは左翼的なリベラルのヨーロッパ人ですらいい加減げんなりしており、ラフサンジャニがヨーロッパに自由に出入りするのを阻止しようという動きに進んでいるという。そして世界でおきるあらゆる出来事をなにかとアメリカのせいにするのは欧州のインテリの間ではファッションになっているが、このブロガーも含めこうしたインテリ連中が1970年代にシャーの独裁政権を崩壊させよと大騒ぎし、一部カーター大統領の手も借りてシャー政権崩壊は実現したが、その結果がイスラム原理主義の台頭ではないかと怒りをあらわにする。意味のないイラン・イラク戦争を8年も続け双方で150万という犠牲者をだすような国となり、宗教の自由、報道や表現の自由など全く存在しないイラン。こんな政権をよくも「民主的」だなどと言えたものだと著者は言う。

ヒュー、この男は現政権の見解を代弁しているのです。彼等は西側のメディアをどう悪用するか理解しリベラルとの共通の声をたくさんみつけたのです。太陽の下にあるすべての問題をアメリカのせいにするという、この男のやっていることは、リベラルが常にどんな問題に関してもやっていることです。ジェームス・ウースリーの偉大な格言に「我々が何をしようと彼等は我々を憎む。それは我々のやったことに対してではなく我々の信念に対してなのだ。」というのがあります。このことを忘れないようにしましょう。アメリカを責めよ主義の連中は危険なゲームをおこなっています。

もし私があなたなら彼にこの質問をしたでしょう。「あなた方は帝国主義のアメリカを追い出し理想の国を作りました。そして27年間も『独立国』として何億ドルという石油の金が流れ込む国を築きました。あなた方はシャー政権の腐敗を一掃しました。それで今あなた方が自慢に見せられるものは何ですか? 発展を見せて下さい。』イランでは原油輸出以外の産業などなきに等しいのです。彼等は帝国主義の工作員だったシャーを取り除けさえすれば世界を征服できるはずでした。(シャー政権の崩壊)は実現しました。その結果得た自由とお金はどうなったんでしょうか? 答えは明白です。みじめな生活以外のなにものでもありません。ヒュー、イランでは売春や麻薬が流行病のレベルで広まっています。 バム地方では地震の後飲料水すらないのです。にもかかわらず政府はヒズボラに何百万ドルという資金を送っているのです。こんなことは数え上げたらきりがありません。

お願いです。腐敗した政権の代弁者に信頼性を与えないで下さい。彼等は27年間にわたって折あるごとに「アメリカに死を」とがなり立ててきた連中なのですから。

いつもあなたのやっていることには感謝しています。トークショーは私のような多くの人間にとって希望の灯火(ともしび)です。

我々西側の人間は(日本や韓国も含む)英語を堪能に話し西側文化の立ち居振る舞いをする人間は、我々と同じ価値観を共有していると勘違いする傾向がある。だからつい彼等のいうことを本当だと信じ込んでしまうのだ。これはリベラルにしても保守派にしても同じことがいえるのだが、我々は彼等は単に我々の聞きたいことを言っているだけかもしれないという可能性を常に念頭に入れておく必要がある。

彼等には彼等なりのアジェンダがあるのであり、英語のできる人間が我々に分かりやすい表現で説明することが必ずしもその文化や社会を代表しているわけではないということを知るべきであろう。

そういう意味で私はこの二人のイラン人の異なる見解は非常に興味深いと思う。アメリカの世論にしたって民主党と共和党の間では全くちがう意見が聞けるのだからこれも当たり前だ。イラン世論に色々あるのは当たり前だが、問題はアメリカがどれだけ正しくイラン情勢を把握できるかにかかっている。

January 14, 2007, 現時間 5:13 PM

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