January 9, 2007

イスラエルのイラン攻撃はちょっと無理?

この間、イスラエルはイランにちかぢか限定的な核攻撃をする計画があるらしいとイギリスの新聞、サンデータイムスが報道したという話を紹介したが、いつも読者に貴重な記事を紹介してくれている 陳さんは、こんなことをおっしゃっている。

再三述べるように、イランに対する軍事力行使のタイムリミットは今年春頃に予定されているブシェール原発への燃料棒搬入前にならざるを得ません。外交的に原発の稼動が阻止できないとなれば、イスラエルは内政的に動きが取れないアメリカを差し置いて単独攻撃を行い、ブッシュ政権はそれを黙認する可能性がありますね

さて、その陳さんの紹介で宮崎正弘の国際ニュースでは、サンデータイムスはガセ情報を流す常習犯なので、そう簡単には信じないほうがいいと警告している。

英紙『サンデー・タイムズ』はどうやら常習犯らしい。  イスラエルがイランのウラン濃縮施設を空襲する計画を練り上げた、という世界を驚かせたニュースである。同紙は昨年三月にもおなじ内容の報道をして「これはシャロン首相(当時)も同意している」などと報じた。

 イスラエルの奇襲それ自体は既に言い古されたことで、とりたてての驚きではない。
げんに著名ジャーナリストのセイモア・ハーシェが老舗マガジンの『ニューヨーカー』(06年4月)でも同様な計画を「アメリカが」立案したと書いて物議をかもし、ホワイトハウスは、「セイモアは病的」とまで酷評して否定した事件もあった。...

イスラエル外務省はただちに会見し「あれは荒唐無稽」「そもそもイスラエル軍幹部の匿名情報などというニュースソウスもあやしい」とした。テルアビブの首相府は「荒唐無稽で、反論する必要もない」とする態度だった。

シーモア・ハーシェは有名は有名だが保守派の間では嘘つきハーシで通っているほど信用のない男なので、これと同じレベルだとしたらサンデータイムスもあまり信用できるとはいえないだろう。

これにたいしてイランはいつもどおり、奇襲などしたら後悔させてやる、これはシオニスト国家がわざと核兵器の存在を示しての威嚇だと鼻息があらい。自分達は核兵器が完成し次第イスラエルを攻めると常に豪語しているのだから、イスラエルからこのくらい威嚇されたからといって腹をたてるのは筋違いというものだ。

しかし、イスラエルがイランに奇襲攻撃をかけるという話そのものは大いにあり得ることなので、問題はそのタイミングとその効果力だろう。陳さんもおっしゃるようにイスラエルにはあまり時間がないからである。

 専門家は次のように言う。  「イラクのオシラク原子炉攻撃は、一箇所に集中していたうえ、イラクまでは距離が近いという条件に恵まれた。だからイスラエルは81年4月のオシラク原子炉攻撃を成功させた。 イランの場合はナタンズ、イスファファンなど十二箇所以上に核施設は分散している上、地中深くのトンネルのなかである。イスラエルからの飛行距離も長く、ジェット戦闘機がレーダーに捕捉されないで、空中給油を受けながら飛ぶ可能性は高くない。 米軍との協力があろうとも、奇襲の成功は容易ではない上、攻撃できたとしても効果が疑わしいだろう」。

 とはいえイスラエル情報筋は「イランの濃縮ウラン施設の完成は2010年」と踏んでいる。
外交努力が2010年までに実を結ぶことがないとすれば、最後の選択肢はかならず浮上するだろう。
ペルシア帝国の復活をおそれるアラブ穏健派のくにぐに(エジプト、サウジ、ヨルダンなど)が、この騒ぎに沈黙を守っているのも奇妙である。

私がイラン人ならかなり神経を尖らせているところだな。

January 9, 2007, 現時間 11:00 AM

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コメント

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下記投稿者名: アラメイン伯

確かにイスラエルのイラン奇襲は、前から言われてますね。
やるぞやるぞってブラフかもしれません。

ただオシラクの時と違いイスラエル空軍にはストライクイーグル戦闘爆撃機がありますし何よりも世界最優秀のモサドによる情報も期待できますので技術的には可能と考えます。

上記投稿者名: アラメイン伯 Author Profile Page 日付 January 11, 2007 6:20 AM

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