December 14, 2006

滅びる文明を描いたアポカリプト

メル・ギブソン監督のマヤ文明末期を舞台に一人の男の冒険を描いたアポカリプトが高評価を受けて人気ナンバー1である。(こちらのサイトで製作の苦労話や写真集を見ることができる)

前評判では暴力的すぎるという話だったし、予告編でも走っている場面ばかり多いように感じたので観にいく気は全くなかったのだが、友達が絶対に観る価値があるからというので先日見てきた。しかし私にはハリウッド映画特有の意味のないピストルの撃ち合いや爆発シーンなどに比べれば、確かに暴力シーンは凄まじいが現実的な意味のあるものになっていたと思う。



Mel Gibson in Apocalpto

メル・ギブソン監督


スペインの侵略によって滅びた南米マヤ文明だが、彼等も決して平和的な民族だったわけではない。それどころか彼等の文化は非常に血みどろのものだった。彼等は近隣部落に戦争をしかけては人々を拉致して奴隷にしたり生け贄にしたりしていたのである。

メキシコにあるマヤの遺跡には生け贄の人間が殺された岩台は何千何万という生け贄の血でどす黒く染まっているという。

この話はマヤ族の襲撃にあった部族の男たちとその家族の冒険を被害者の立場から描いたものである。映画の前半は部落の男たちが密林のなかで狩りをしたり、村にかえってきて家族と和やかなひとときを過ごしたりしているのだが、それが突然明け方に攻めてきたマヤ族によって村は焼かれ女たちは冒涜され生き残った若い男女は捕虜にされ連れ去られ、幼子は置き去りにされる。

捕虜の男女がマヤの町へつれていかれる途中、一行は病気で(天然痘?)死んだ母親の遺体のそばにたちすくむ発疹だらけの少女に出合う。病気がうつると恐れるマヤ族の男が少女を木の枝で押しよけると、少女は無気味な予言をする。

「豹と一緒に走る男がお前たちの終わりをつれてくる。お前たちはこの世からかき消される」

豹と走る男とは誰か? マヤ族をこの世からかき消すものとは何者か? 

さて、登場人物はすべて役者ではなく地元のインディアンを起用しており、誰も映画出演の経験などないどころか演技すらしたことのない人たちなんだそうだ。だからメル・ギブソン監督はシーンをいちいち自分で演技してみせてから役者たちに演技指導をしたそうだ。

私はそのことをテレビのインタビューを見て知ったのだが非常に驚いた。なにしろ彼等の演技はみなすばらしいし、素人だけを集めたにしては男も女も美形ばっかりだ。私はてっきりメキシコ人の役者を集めたのだとおもっていた。なにしろふんどし一丁で走り回る男たちは皆筋肉隆々の美しい若者だし、女たちも美人ぞろい。特に主役の若い男は非常に魅了的だ。

本当は秋頃公開の予定だったのが、メキシコの天気にめぐまれずかなり撮影は手間どったらしい。しかし我々観客にとっては待った甲斐があったというもの。

日本公開はいつなのかちょっと分からないが、ぜひお勧め。

December 14, 2006, 現時間 10:56 PM

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