November 22, 2006

穏健派イスラム教徒の意見を聞かない理由

どうしてアメリカ国内では、穏健派のイスラム教徒の内部告発を聞くことができないのだろうか、それは過激派イスラム教徒が穏健派を黙らせようとするからだ。

ミスター苺の弟の母校でもあるワシントンDCにあるエリート大学のブラウン大学で、ユダヤ系生徒のグループ、ヒラルの主催で現在のイスラム教に批判的な意見を持つイスラム教穏健派スピーカーを招待して講演会が開かれる予定だった。ところが、これをきいたイスラム教生徒の間から激しい抗議が殺到。学校側は様々な意見をきくことの価値を強調するどころか、生徒の意志にまかせるとして決断を生徒達にゆだねてしまった。イスラム生徒たちからの脅迫に怖じ気づいたヒラルのメンバーたちは臆病にも講演をキャンセルしてしまったのだ。(Not talking back to Nonie Darwish Kesher Talk)

招待をキャンセルされたスピーカーはノニー・ダーニッシュ女史。エジプト生まれのダーニッシュ女史はイスラム教徒として育ち、テロリストグループに所属していた父親をイスラエル軍に殺された体験を持つ。 女史は過激派イスラム教徒による女性弾圧や、911はシオニストの陰謀だなどと信じる考え方について批判的な意見を述べるはずだった。

ダーニッシュ女史は、イスラム教徒の間では建設的な自己批判を聞く姿勢が全くないと嘆く。これは以前にもコメンターのアセアンさんが同じことをいっていた。

カカシさんの仰ってることはイスラム教が21世紀という現代にどうイスラム教自体が変革するのか?という問いを含んでいるのです。

その為に最も重要なことは、当のイスラム教徒が真にイスラム教を学習し直す必要性があるのです。

しかし、それを実現する為には「権力闘争」の一環でもある宗派対立的な問題を解消する必要性をイスラム内部(特に宗教指導者層、エリート層)が理解しなくてはなりません。(統合する必要性はありません、キリスト教でもカトリックとプロテスタントが存在するのですがから)

以前、ローマ法王の発言に対して批判が噴出しましたが、あの最大のポイントはローマ法王の神学論争としての発言に対してイスラム教が神学論争として応えられないこと大きな問題が含まれていたのは自明なのです。

イスラム教徒の多くがコーランを暗記しているだけで、中身をきちんと理解しているわけでもなければ、自分なりに解釈しようなどとは考えたこともない。コーランの解釈は専門家である聖職者に任せきりで、彼等の勝手な解釈がどう政治的に利用されていようともそもまま鵜呑みにされてしまうというのが現代におけるイスラム教のもっとも悲劇的な状況だと思う。

だからイスラム教徒の行動に関する批判を、イスラム教を向上させる、または時代遅れのイスラム教を21世紀の文明社会に沿った宗教にしていこうという建設的な意見を素直に聞こうとするどころか、イスラム教への冒涜であるとか攻撃であるというふうにしか取り扱えずに反射的で暴力的な拒絶反応をしめすわけだ。

本来ならば、ブラウン大学の学校側は教育者として、異なる意見も多いに聞き、演説者の意見に反対であるならば清聴した後の質疑応答で演説者に挑戦し討論の場として教養を高めることを教える場所である。反対意見を公表されたら反論もできないというのなら自分達の理論に落ち度がある可能性を反省するべきだ、くらいのことを指導するのが筋だろう。それが大学という教育者の義務ではないか。それを気に入らない意見の演説者を沈黙させた生徒の意見を尊重するなどもってのほかだ。

演説をキャンセルしてしまったユダヤ系生徒グループも腰抜けだが、学校側からの後押しがない以上、脅迫を恐れた生徒たちが怖じ気づくのも無理はない。保守派の演説者がリベラルの生徒らの暴力で壇上からひきずりおろされる事件がアメリカのあちこちの大学で起きているという事実がある以上、生徒たちも講演者の安否を気づかったという可能性も否定できない。

自由社会の将来を担う若者を育てる大学で、言論の自由が暴力で脅迫されて迫害されているというのはなんと情けないことだろう。このような大学を出た生徒たちが実社会に出れば、反対意見は暴力で黙らせればいいと考えるようになるのは当たり前ではないか。

November 22, 2006, 現時間 3:51 PM

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