November 16, 2006

イスラム教、文明社会が知るべき事実 その1

本日はイスラム教過激派の脅威を描いた二つのドキュメンタリーを紹介したいと思う。 ひとつはObsession(執念)、 もうひとつはIslam - What the West Needs to Know(イスラムについて西洋が知るべき事実)。

イスラム過激派の狂信を描くオブセッション

「執念」のほうは先日テレビでその一部を観たが、情報提供をするドキュメンタリーとしてはあまり良く出来ているとはいえない。 ただ過激派イスラム教徒の狂信ぶりを言葉で説明するのではなく、イメージで訴えるやり方にはそれなりの効果がある。 何万人という信者が集まって「アメリカに死を!」と独裁者の音戸に取られて腕を降りたてながら何度も繰り返す映像はナチスドイツのヒットラーの演説を思い出させる。

また別のシーンでは幼稚園の女教師が子供に「ユダヤ人は豚だ」と教えていた。 女児が言葉に詰まった時に「はい、次はなに? 」と優しく聞き返し、女児が「ユダヤ人は豚です!」と答えると「は~い、よくできました!」と褒めてる図は背筋がぞっとする思いである。

我々文明人は自分らの物差しで他の社会を計るため、比較的民度が高いと思われるサウジやトルコ、エジプトのようなイスラム社会であからさまな反西欧のプロパガンダが朝から晩まで流されているということの深刻さに気がついていない。 一歳児に自爆ベルトを着させて自慢げに写真を撮る父親の気持ちが理解できていない。 幼稚園児が大きくなったら自爆テロになってイスラエルの豚どもを吹っ飛ばすなどと涙を流しながら訴える姿がつかみきれない。 

外面(そとづら)のいいイスラム諸国の代表者らは、西洋のメディアに面するときは西洋諸国が聞きたがる奇麗事を並べ立てる。 多くの「スポークスマン」たちは英語も達者で西欧風の振る舞いにも長けてチャーミングなため、我々西洋人は彼らも我々と同じ価値観を持っている文明人なのだとちゃっかり騙される。 だが彼らが自分達だけの間で話す時の西洋観は我々がきいてぞっとするような憎しみに満ちているのである。 たとえばここでも何度か取り上げたアメリカのイスラム教市民団体CAIRの代表が、911事件直後、「我々はこのテロリズムを断固糾弾する」と表向きは宣言しておきながら、自分らの会合では911の犯人たちを「19人の英雄たち」とたたえている映像がこのドキュメンタリーでははっきり映し出されている。

イスラム過激派は西洋社会に嘘をつきインファデル(無信心者)の我々を欺くことなど屁とも思っていない。 彼らの真の姿を知るべきだ、というのがこのドキュメンタリーのテーマだ。

悪の根源はイスラムの教えそのもにある

これとは別に、「イスラムについて西洋が知るべき事実」のほうは私はまだ観ていないが、その製作者たちの座談会がフロントページマガジンに載ったので。(Hat tip le'eXtreme-Centre )そこからこの映画の内容について紹介しよう。

元パレスチナ解放連盟(PLO)のテロリスト、福音書キリスト教徒に改宗し現在は熱心なシオニスト、「何故私がジハードを去ったのか」の著者ワリード・シューバット(Walid Shoebat)氏は、この映画についてこのように説明する。

私が過激派イスラム教を去ってからというもの、私は常に過激派イスラム教徒の心情について無知な西洋人に遭遇してきました。 どちらの側にもいたことのある私にとって私はその度に、スタートレックのスポック博士がカーク船長に幾度も宇宙人の考えを説明したように、(西洋人に)異邦人の考え方を説明するはめになったのです。 しかし西洋人と話す上で最初に私が遭遇した問題は彼らがイスラム社会も彼らと同じように、自由、平等、文明化、民主主義、そして生活向上といった希望を持っていると勘違いしている点なのです。

今日、古の世界で西に傷つけられ忘れられていた巨人であるイスラムは凄い勢いを息で吹き返してきてます。 イスラム教徒が多数を占める多くの国々で世俗主義や社会主義は人気を失い新しい傾向、本当はとても古いのですが、山火事が広まるかのように、よみがえろうとしているのです。 それが過激派イスラム教です。

私が参加したこのドキュメンタリーではイスラムの歴史のはじめから今日にいたるまでのつながりを、神話と事実が織り交ぜながら見せています。このドキュメンタリーはイスラム創造の父であるモハメッドによる紛れもない供述、イスラムそのものを情報源として、どう彼の教えが現在の我々の時代に生きているかということを説明しています。この証拠が討論されている間にも、世界の政治家達は否定できない事実を否定しています。 イスラムの真髄は単に「美しく平和な宗教」などではありません。 これは彼らだけの政治機構であるだけでなく残りの世界にも強制されようとしているのです。

東洋はイスラムが生まれた最初から知っていますが、西洋はまだ全くこの歴史に無知です。しかし西洋でもイスラムは広まりつつあるのです。すべての西洋人がこのドキュメンタリーを観るべきです。特にまだイスラムを批評する自由をもっている今のうちに。

このドキュメンタリーの製作者で、座談会に参加したほかの二人は、サージ・トリフコビック(Serge Trifkovic, 元 BBCワールドサービス報道員、元US News & World Report の記者、元Chronicles海外ニュースの編集長, そして The Sword of the Prophetの著者)と、ロバート・スペンサー(Robert Spencer, おなじみのイスラム教歴史学者。トルコ系カトリック教徒。イスラムに関する多々の著書があるが、一番最近はThe Truth About Muhammad)氏である。

この顔ぶれだけを観ても読者の皆さんにはこのドキュメンタリーの主旨がご想像いただけると思うが、彼らのテーマは欧米社会の政治家達が好んで使う、「イスラム教が問題なのではない、本来のイスラムは美しく平和な宗教である。問題はジハーディズム(聖戦主義)というイスラム過激派がイスラムを歪曲して解釈をしてテロを行っていることなのである。」という西側のレトリックは間違っているというものだ。 このドキュメンタリーはジハードの根源はイスラム教そのもにある、我々西洋人はそのイスラム教の悪から目をそむけてはならない、というのである。

この座談会でトリフコビック氏が紹介しているアメリカの公立中学で教えられているイスラム教について、驚くべき事実がある。

長くなるのでこの座談会の続きはまた明日。

November 16, 2006, 現時間 4:29 PM

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コメント

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下記投稿者名: sou

お久しぶりです。

僕もいつもイスラム過激派といわれる人々はなんだか怖いなと感じるのですが、一方で平和ぼけした日本人だからなのか

最近のアメリカの保守派はコワイ

なぁ、なんてことも感じてしまいますね(論理としてはどちらの立場も理解できるけど)。
ま、こうしたイメージのどれだけが実際を表しているかというのも分からないんでしょうが…。

ただ、前にもコメントしたような気もしますが、「ジハードの根源はイスラム教そのもにある」というのは全くその通りです。対テロ戦争は宗教戦争でしかないのです(そのため逆に対テロ戦争を進めようとしている人にこそ「本来のイスラムは美しく平和な宗教である」などという詭弁が必要になってくる。それかイスラムを殲滅すると言うか)。
じゃあ、どうすればいいのか…。
全く分かりませんが、とりあえずドイツ三十年戦争のようにどこまでも殺し合いを続けてみるしかないのかもしれませんね。

上記投稿者名: sou Author Profile Page 日付 November 17, 2006 3:45 AM

下記投稿者名: Sachi

souさん、

リンク先の記事を読んでみましたが、マイケル・サベージなんてのはラジオの地方局で一部の過激派を対象にやってるラジオ番組のDjで、主流保守派からは完全に見放されています。それにサベージ自身、本気で自分のいってることを信じているわけではなくて、過激派の聴取者が聞きたいだろうと思われる衝撃的な発言をしているに過ぎません。

ビル・オラーリーやショーン・ハネディは名前から解るようにアイルランド系のカトリックで、非常に宗教的な道徳観が強いため、それに沿った発言をしますが、必ずしも保守派とはいえません。 彼らが人気があるのは、キリスト教をやたらばかにするリベラルが圧倒的な力を持っているアメリカの主流メディアにおいて、少数派ながら宗教を基盤にした道徳観を語ってくれる数少ないコメンテーターだからです。

彼らが過激なことをいっても、それがそのままアメリカの政策になるわけではないし、これをイスラム過激派と同一視するのは、イスラム過激派の本当の脅威を過小評価することになって危険だと思います。

カカシ

上記投稿者名: Sachi Author Profile Page 日付 November 20, 2006 11:02 AM

下記投稿者名: sou

同一視なぞしてません。

イスラムに対するイメージにも同様にその裏には僕たちの分からない様々な事情があるのかもねーというだけことです。
何が本当の脅威なのか見誤らない事が重要だという意見に全く賛成です。

上記投稿者名: sou Author Profile Page 日付 November 20, 2006 10:29 PM

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