November 04, 2006

勉強しないとイラクにいくはめに! ケリー議員アメリカ兵を無教養な能タリンと侮辱

アップデートあり、後部参照:

数日前、2004年に民主党の大統領候補として出馬して負けたケリー議員が、カカシの住まい近くのカリフォルニアはパサディナの大学で、知事候補の応援演説をした。 (共和党の知事候補はもちろんシュワちゃん。 圧倒的な支持率だから当選まちがいなし!)

ケリー氏はパサディナ大学の学生を前にこんな「冗談」を述べた。

いいですか、教養とは、それを最大限に生かし、一生懸命勉強して宿題をやって賢くなるよう努力すれば、かならずや報われます。 しかしそれをしないと、イラクで立ち往生するはめになります。

これを聞いた元軍人や現役軍人および一般市民からも、勉強しないとイラクへ行くはめになるってのはどういう意味だ! アメリカ軍に入隊する兵士らは怠け者の能タリンだと言いたいのか! という批判が出たのは言うまでもない。 退役軍人のLieutenant Colonel (Retired) Joe Repya 氏。

わが国で制服を着て奉仕している男女を政治家の冗談の種にするなどもってのほかである。合衆国の退役軍人や現役の兵士らを無教養な負者であると侮辱したジョン・ケリーはわが国の制服を着た勇敢な男女に対して謝罪すべきである。 2005年のイラクフリーダム作戦の帰還兵として、私はティム・ワルツ(民主党下院議員候補)及び民主党にケリーの深刻な侮辱を糾弾するとともに、明日わが州(ミネソタ)における選挙応援への招待を差し止めることを呼びかけるものである。

Repya大尉はイラクだけでなく、ベトナム経験と湾岸戦争の体験もあるひとだ。

あまりの批判の声にケリー議員のスタッフは言い訳に大忙し。 これは軍人がイラクで立ち往生をするという意味ではなく、勉強しないとブッシュみたいな大統領になってイラク戦争で立ち往生するという意味だとかいう見苦し言い訳をしてまわっている。 エール大学での成績はブッシュのほうがケリーより良かったのにねえ、変ですねえこの言い分。

イラク戦争そのものに対する批判なら政治家だからフェアゲーム。どれだけ批判しようとかまわない。 だが大統領の命令で戦争に出かけた軍人を批判するのはおかしい。 軍人は戦う戦争を選ぶ権利などないのだから。 戦争中に命がけの戦いをしている自国の軍人をよくまあこれだけコケにできるものだと読者の皆様もあきれておられることだろう。 しかしケリー氏がこれをやったのはこれが最初ではない。 いやそれどころか、ケリー氏の政治家としてのキャリアが始まったのが反戦運動と言う名の軍人侮辱運動だった。 

ベトナム戦争時代、二度の軽傷を口実にケリー少尉はベトナムから帰還した。 その直後氏はウィンターソルジャースというベトナム帰還兵による反戦運動グループを創設。 議会の公聴会でアメリカ兵がベトナムで強姦、略奪、虐殺と、どれだけ地元ベトナム人を虐待しているかを告発した。 アメリカ兵はまるで「ジンギスカンの兵士」らのように野蛮だと証言した。 加えてソンミ村で起きた一部の兵士らによる暴走が明るみに出てケリーの話は真実味を帯びた。これがきっかけでケリーは輝ける民主党の星として政界にデビューしたのである。

後になってケリーのグループのメンバーの多くがベトナム帰還兵どころか軍隊にいたこともない偽元軍人たちで、ケリーの証言はすべてでっちあげだったことが、本当のベトナム帰還兵らの証言から明らかになったが時すでに遅し。 反戦ムードの高まっていたアメリカではアメリカ兵士らに対する不信感が高まった。

しかし大学へ行けば徴兵が卒業まで延期されるという時代ならばともかく、今の志願制軍隊において勉強しない怠け者の能タリンだけが軍隊に志願すると考えているケリー氏のエリート意識はえげつない。

私は軍人との付き合いが多いが、彼らが口をそろえて言うことはアメリカ軍の強さはノンコムの優秀さにあるというものだ。 ノンコムとはNon commisioned officerといって、下士官では高位の准尉・兵曹長クラスの略語だが、大学を出たばかりの若い中尉などより、学歴はないが下士官の中ではベテランで経験豊富な曹長などのほうがよっぽど頼りになる。

軍隊の中では将校らは色々なセミナーを受講するが、これらの学校の指導員の多くがノンコムである。 生徒の将校らのほうが位は高いので教師であるノンコムは口調は丁寧で必ず「サー」という敬称を付けて呼ぶが、生徒の将校らは位は低いこれらのノンコムに非常な敬意を評する。 一度海軍の特別部隊シールの訓練キャンプの模様をテレビで観たとき、ノンコムの指導員が生徒の将校に向かって大声で怒鳴っている姿があったが、普通なら「おら、おら、もたもたすんな~!」というところを「もたもたすんな~」といっておきながら最後に「サー」と付け足していたのには笑ってしまった。

余談だが、私は仕事柄元軍人と一緒に仕事をすることが多い。 特に企画部長になる人は大抵が軍隊で指揮官の立場に居た人だ。 しかし誰が元将校で誰が元曹長かはその態度ですぐわかる。 

「おい、カカシ、なにやってんだ! さっさとケツあげて仕事しろ!」 というのが曹長。 「カカシ君、ちょっと急いでやってくれないかな。 すぐ必要なのでね。」というのが元将校。 

とにかく、アメリカ軍には優秀なノンコムが多いため、個々の小隊が独自の判断で臨機応変な行動ができる。 また軍そのものがそういう有能な個人の判断を起用できる組織になっているところが、アメリカ軍独特の強さにつながっているのである。 コソボでロシア軍と一緒に警備の仕事をしていた軍人が言っていたが、ロシアの軍隊にも有能な軍人はいくらでもいるが、組織そのものが柔軟でないため個々の指揮官らが独自の判断で動くことができないと語っていた。 以前のアフガニスタンや現在のチェッチェンでロシア軍がアメリカ軍のイラク戦争犠牲者などとは比較にならないほどの犠牲者を出しているのもこの柔軟性のないトップダウンの機構に問題があるのである。

このような有能な軍人の多いアメリカ軍隊を怠け者の能タリンと呼ぶとは、ケリーとは全くけしからん男である。 これだから2004年の大統領選の時、ベトナム退役軍人(特にケリーが所属していた海軍速力小型船隊の元メンバー達)からアンチケリー運動が起きたのも納得できるというものだ。

戦争中にこんな議員を応援に呼ぶ民主党の候補達は、またまたアメリカ市民の気持ちを逆撫でしたようである。

アップデート: ミルブログでも最大のBlackFiveに面白い記事が載っている。 昨晩陸軍士官学校ウエストポイントと、空軍士官学校のエアフォースアカデミーのフットボール試合があった。 その時だれかが大きな横幕を立てあげたのだが、そこには「私たちはケリーより頭の悪いひとたちを支援します」と書かれていた。 それを読んだ陸軍生はどっと歓声を上げた。 横幕が空軍生のスタンドの方に向けられるとそちらからも歓声がわいた。

ブラックファイブは「ケリー、陸軍と空軍の心をひとつにさせる、、、」と感慨深げだ。 


November 04, 2006, 現時間 08:11 AM

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