August 8, 2006

ツアーデフランス、優勝したランディスのドーピング疑惑

アメリカの選手、フロイド·ランディスがこの間のツアーデフランスで優勝した直後、彼にはドーピングの嫌疑がかけられた。やっぱりフランスはなんとかしてアメリカ選手から勝利を奪い取りたいようだ。二度に渡る尿検査で陽性と判断されたランディス。二度めの検査が最初の結果を確認したため、ランディスはツアーの優勝者の座をおわれる可能性が高まった。またランディスは所属していたフォナックチームからも解雇された。ランディス選手は今後チームの一員としてレースに出場することができないだけでなく、サイン会などのイベントにも出場できなくなる。

UCIルールに則れば、ランディスのタイトルは剥奪されることになり、ツール・ド・フランスの総合優勝はオスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ)の手に渡る。さらに2年間のレース出場禁止と、その後の2年間のプロツアー出場禁止も免れない。

本人は当初、前夜にアルコールを飲んだことや、常用している甲状腺の薬の影響ではないかとはなしていたが、いまではこの説明は苦し紛れの当てずっぽうだったとし、原因は自分にもわからないと語っている。

私はどうもこの事件はうさん臭いと思う。フランスのサイクリング協会はずっとアメリカ選手の優勝を快くおもっていない。7回連続優勝をしたアームストロングについても、ずいぶんドーピングの疑惑をかけて彼の栄光を汚そうとしたし、今回も優勝候補だったヨーロッパ選手数人をほとんど根拠といえないようなドーピング疑惑で失格にした前科もある。

そして今度の優勝者ランディスのドーピング疑惑。検査をしている研究所がどれだけ尿サンプルの管理をきちんとしていたのかどうかさえ疑わしい。ランディス自身はサンプルに薬が注入されたのではないかという陰謀説を唱えるつもりはないとしているが、これだけドーピングでやっきになっているツアーデフランスで、検査してすぐわかるような男性ホルモンを接種するほどランディスが間抜けだとはどうしても信じられない。

それに発見された男性ホルモンは常用していないと効果がないものなのだという。以下サイクリングタイムスより:

ランディスは今大会で合計4回の検査を受けている。もし本人の主張通りもともとT/E値が高いのだとしたら、第17ステージ以外の3回の検査でも高い数値が出ていなければならない。人のT/E値は大きくは変化しないからだ。

また、仮にランディスが筋力増強効果を狙ってテストステロンを摂取したのだとすれば、数週間にわたって摂取していたはずで、やはり3回の検査で異常値が出るはずである。

では、ランディスはテストステロンを常用しておらず、第17ステージの起死回生の大挽回のために、その時だけテストステロンを摂取したのだろうか?。これはスポーツ医学的にはナンセンスである。テストステロンに持久力を増強する効果があるという医学的知見は今のところ皆無だからだ。

仮にランディスがドーピングを故意にかつ計画的に実行したのだとしたら、これではどうもお粗末であるとしか言いようがない。果たして、自身の破滅につながるかもしれない危険な賭けに踏み出すときに、そのようなずさんな行動を取るものであろうか。
「あの日はタイム差を挽回することが目的でなく、ステージ優勝するつもりだった」と語るランディス。優勝すればレース後にドーピング検査を受けなければならないことは分かりきったことだった。

尿のサンプルが汚染されていないとしても、ランディスの食事に薬が加えられた可能性も考えるべきなのではないだろうか。どうもしっくりいかない事件である。

August 8, 2006, 現時間 1:58 PM

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