August 7, 2006

真夜中まで20分、、、18分30秒のギャップ

イラク戦争前夜、反戦派はイラクの大量破壊兵器開発がどれほど進んでいるのか疑問であるから、確かなことが分かるまでは戦争を控えるべきだと主張していた。もっと査察に時間をかけ、イラクの武力を正しく把握してからでも遅くはないというのである。つまり反戦派は真夜中2分前まで待つべきだと主張したのだ。

実際に戦争をしてみてわかったことは、イラクに大量破壊兵器開発計画があったことは事実だが、我々が当初想像していたところまでは進んでいなかったということだ。*イラクでは大量破壊兵器が発見されなかった*という当初のCIA視察団の発表を振り回し、反戦派は「それみたことか、イラクはそれほど危険な国ではなかったのだ。戦争などする必要はなかったのだ。」と鼻高々であった。

たしかにイラクは我々が思っていたより危険な国にはまだなっていなかった。我々はイラクを真夜中の危機2分前に攻撃するかわりに20分前、いや20分30秒前に攻撃してしまったのである。

それで良かったのだ、と私はいいたい!

我々、文明社会の撲滅を願う敵が我々が相手にできないほど強敵になるまで待っている必要がどこにあったのだ? ウィンストン·チャーチルではないが、敵が弱い時に戦う勇気がないのなら、敵が強くなってからどうやって戦うというのか?

この18分30秒のギャップは、イスラエルによるレバノン攻撃にもあてはまる。

私を含めほとんどの人々が、いったんイスラエルがヒズボラに全面攻撃を仕掛ければ、ヒズボラなどひとたまりもない、この戦いは迅速に圧倒的な決着を生むであろうと考えていた。ところがヒズボラはおもったよりも手強い。イスラエルはかなり苦戦をしている模様である。イスラエルが2000年にレバノンから完全撤退してからヒズボラは組織的にも腕を磨き、性能の高い武器をイランからシリアを通じてずいぶん取り入れ、かなりの武装強化をしていたようだ。

この状態をみて、アメリカ民主党はまたまた勝ち誇った顔でいう。「だからいわないことではないのだ。やたらにヒズボラなどに手をだすからこういうことになる。放っておけば良かったものを」だが、ここで疑問が生まれる。もしイスラエルがヒズボラによる戦闘行為を無視し、ヒズボラをこのまま放っておいたら、長い目でみてイスラエルにとって良い結果を生んだのであろうか?

その答えは否である。この戦争は必要だった。イスラエルはヒズボラを今の時点で攻めておいてよかったのである。

ヒズボラを放っておくべきだったと語ることの裏には、この戦争が交渉によって避けることができるものだという前提がなければならない。イスラエルがテロリストによる市民の拉致やミサイル攻撃を我慢し続けていれば、いずれはテロリストもイスラエルの自制心に感服して攻撃をやめるという前提が必要なのだ。だが、これまでのヒズボラやハマスのやり方をみていると、イスラエルが自制し国際社会の圧力に負けて折れれば折れるほど、テロリストたちの攻撃はごう慢になっている。

ヒズボラ、そしてその背後にいるイランの最終目的はイスラエルの撲滅である。彼等はイスラエルが完全に滅びるまでイスラエルとの戦いをあきらめる意志は全くない。それが証拠にイランの大統領はことあるごとにイスラエル滅亡を唱えているではないか。 国際社会がイランを説得してイランの打倒イスラエルの野心を崩せるなどとは誰も考えないだろう。国連はイランの核兵器開発すら遅らせることができないではないか。イランが核兵器開発に成功した暁にはイランがイスラエルを攻めるのは必定である。これは避けられない運命だ。

では、イランの手先であるヒズボラをイスラエルが今たたくことになんの問題があるというのか? 今たたかなければ何時たたくのだ? 何時なら国際社会はイスラエルの攻撃が正当であると認めるのか? 戦いは必ずくるのである。真夜中は避けられない時刻なのだ。それならば何故イスラエルは勝利がより難かしくなる真夜中2分前まで待っていなければならないのか。なぜ20分30秒前ではいけないのか。

ヒズボラによるイスラエル攻撃は2000年のイスラエル軍レバノン撤退よりちゃくちゃくと増えてきていた。このまま放っておいてヒズボラの攻撃がいずれ止むと考える根拠は全くない。それどころか時を経るに従って攻撃はその規模を増すと考えるべきである。

この戦争は避けることのできない戦争なのだ。もしイスラエルが今攻めなかったなら、いずれ強化したヒズボラが彼等の都合のよい時と場所とやり方で攻めてきたことだろう。イスラエルが反戦派のいうとおり真夜中2分前まで待っていたなら、今の苦戦など比べ物ならないほどひどいことになっていただろう。

18分30秒のギャップ。これがイスラエルの生死を左右することになるのだ。

August 7, 2006, 現時間 9:53 AM

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