June 12, 2006

疑わしきは罰するメディア その1

アップデート下記参照

ハディーサの件にしても、この間のガザの浜辺で民間人が流れ弾にあたって多く犠牲になった事件にしても、どうも世界の主流メディアはテロリスト側の肩を持ち過ぎる。事件の真相がまだはっきりしないうちに、どうしてこうも彼等は一方的に片方のいい分を信じて、あたかもそれが事実であるかのように報道するのだろうか。

まずガザ事件から分析してみよう。産經新聞の記事から引用してみる。

イスラエル軍は9日、ガザ地区北部のビーチを砲撃し、海水浴に来ていた家族連れのパレスチナ人ら7人が死亡し、約40人が負傷した。イスラエル紙ハアレツ(電子版)などが伝えた。パレスチナ自治政府を主導するイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門は同日、停戦を破棄し、イスラエルに対する攻撃を再開すると宣言した。ガザからの報道によると、死者の中には、海水浴に来ていた女性や子供が含まれている。イスラエル軍は一般市民が犠牲となったことに遺憾の意を表明。同軍司令官は、事実関係の調査が終わるまで、ロケット弾攻撃を阻止するための砲撃などの中止を命じた。同軍は「誤射の可能性がある」としている。

とイスラエルの砲撃だったと断言しているが、この記事をよくよく読んでみると本当にイスラエル軍は自分らの非をみとめているのか定かではない。記事のなかで、『同軍司令官は、事実関係の調査が終わるまで、ロケット弾攻撃を阻止するための砲撃などの中止を命じた。同軍は「誤射の可能性がある」としている。』とあるが、事実関係の調査も終わらないうちにイスラエルが自分らの非を認めるとは思えないし、イスラエル軍が誰による『誤射』だといっているのかわからない。

しかし、APの記事を読んでみるとことの真相がもう少しはっきりする。

Israel's military chief said the killings may have resulted from a misfired Palestinian rocket. Palestinians insisted they were caused by an Israeli artillery shell.

(訳:イスラエル軍は殺害はパレスチナのロケット弾の誤爆発の結果かもしれないと述べた。パレスチナはイスラエルの砲弾によるものだと主張している。)

つまり、確かにイスラエル軍はこの事件は『誤射』の可能性はあると認めて入るもの、誤射をしたのはイスラエルではなくパレスチナである可能性が高いと発表しているのである。それを無視して産経新聞はあたかもイスラエルが自分らの誤射を認めたような報道をしている。

それに産経の記事をもっと深く読んでいると変なことに気が付く。 

ハマスは過去約16カ月にわたり、停戦状態を維持してきたが、その一方で、対イスラエル武装闘争方針を堅持し、米欧などからの武装解除の圧力には応じない姿勢を示していた。

ハマスが16か月も停戦状態を維持していたのなら、いったいイスラエルは何を阻止するために砲弾をうっていたのだ? これは前述の『同軍司令官は、事実関係の調査が終わるまで、ロケット弾攻撃を阻止するための砲撃などの中止を命じた』という部分と完全に矛盾するではないか? 停戦状態にありながらハマスは付近で海水浴をしている同胞の市民の安全もかえりみずにイスラエルにロケット弾を打ち込んでいた。それをいまさらしらじらしく、停戦は破棄と宣言して十数発のロケット弾をイスラエルに打ち込んできた。なにが停戦を維持してきただあ〜あほらしい〜!

さて、今日になってエルサレムポストの記事によると、調査の結果ガザで爆発したのがイスラエルの砲撃による可能性は極めて低いことがはっきりしてきた。

1)イスラエルの病院に運ばれた負傷者の傷口から発見された破片はイスラエルのIDF弾のものではない。
2)現場にはIDFでは普通に残される爆発によるおおきな穴がない。
3)イスラエルから放たれた6発のうち5発の破裂弾の行方はわかっており、行方のわからない残りの一発はガザで爆発がおきる10分も前に発砲されていること。(浜辺の爆発があるずっと前にどこかに落ちているはず。)

というわけだから、ハマスは自分らが撃ったロケット弾が的を外して市民らの間で爆発したのに、イスラエルのせいだと言いがかりをつけて、守ってもいなかった停戦を破棄すると息巻いてるわけだ。

ハマスは大量殺人鬼のテロリストだから、嘘など朝飯前だろうから、彼等の言動にはなにも不思議な点はない。だが、こういう奴らのいうことを反対側のイスラエルの説明もきかないうちに何もかも鵜呑みにして、あたかもイスラエルが無実の一般市民を虐殺したかのような報道をするイギリス、アメリカそして日本の主流メディアには全くあきれる。もうすこし事実関係を確認してから報道してもらいたいね。

アップデート (6月13日)
本日明らかになった記事によると、この爆発はどうやらパレスチナ側が埋めていた地雷だった可能性が高くなってきた。

エルサレム(CNN) パレスチナ自治区、ガザ北部の海岸で6月9日、イスラエル海軍艦艇からとされる砲弾攻撃で海水浴客の一家ら7人が死亡した事件で、イスラエル軍筋は13日、同軍の調査で爆発はイスラエル艦艇からの砲弾が原因ではなく、パレスチナ武装組織が海岸に埋設していた地雷によるものとの結論を示した。

イスラエル軍艦艇は、計6発の砲撃を実施していたが、うち5発の着弾地点を特定、いずれも問題の海岸近くではなかったと断定。残る1発もさらに北方の場所へ撃ち込まれていたという。

(中略)

イスラエル軍筋によると、9日の爆発後、自治政府の内閣を主導するイスラム強硬派組織ハマスが、残っていた他の地雷を除去したという。

自分達で一般市民が海水浴を楽しむ浜辺に地雷を埋めておきながら、イスラエルの砲撃のせいにするとはさすがテロリスト政府だけのことはある。ところで、イスラエルは本日ガザへの本格的攻撃を再会し、9人の一般市民が巻き添えになったが、この件についてはイスラエルも認めている。だが、ハマスが停戦を破棄すると発表してロケット弾を公式にイスラエルに打ち込んできた今となっては、イスラエルも遠慮はしないとはっきり発表している。

June 12, 2006, 現時間 12:19 PM

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